とりとり ―とりかいの取り留めのないメモ帳―

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のアニメの感想とかを語っていきます

Butterflyでのクラゲの傘についての考察

あけましておめでとうございます!今年の初ブログです!

めちゃくちゃ遅刻ですが今回は7話のButterflyについてです。

 

彼方の曲には今までなかったアップテンポな曲で、新たな彼方ちゃんの魅力が詰め込まれた曲でしたね。彼方の持つメルヘンな世界観を維持しつつも、力強さや優雅さ、躍動感を感じさせる一曲です。Bメロで曲のテンポが速くなり、それに合わせて弾むように踊る彼方ちゃん。傘を空へと投げてサビが始まるシーンが印象的でした。

いろんな方が指摘されていましたが、彼方ちゃんの持っていた傘はミズクラゲがモチーフになっていましたね。一番わかりやすいのはこのカットでしょうか。

クラゲというのが実に彼方ちゃんらしくていいですよね。水の流れに身を任せて、ゆったりと、ゆらゆらと気ままに漂う。マイペースな彼方ちゃんにぴったりです。

ググったら加茂水族館コラボの傘が出てきました。MVで出てきた傘とそっくりです。興味がある方は調べてみてください。

f:id:torikai24ll:20210102173459j:plain

この傘(=クラゲ)の演出は、「波に揺られるように、いつの間にか遥ちゃんの所から遠い所へ行っしまっていた彼方ちゃん」を表現しているのではないかと思いました。遥ちゃんに「お姉ちゃんのわからずや!」と言わせてしまうまでに、一人で背負いこみすぎてしまった彼方ちゃん。一緒に歩いてきたようで、実はすれ違っていました。一人で背負いこんできたクラゲが海を飛び出し、空へと舞い踊る。それが今回のButterflyなのではないかと、私は解釈しました。Aメロ・Bメロ、サビに分けて詳しく書いていこうと思います。

 

 

Aメロ・Bメロ

Aメロではゆっくりと傘をさして歩いている彼方ちゃん。「記憶の中で 溢れる Love with you」のところで、遥ちゃんの映像がセピア調になっている演出がいいですよね。いつどんなときも、ずっと遥ちゃんを大切に想っている。生まれた時から今までの思い出。過去だけではなく現在進行形の思い出は、彼方ちゃんの大切な宝物です。

f:id:torikai24ll:20210103155436j:plain

このセピアの演出にはもう一つ、「幼き日のままの、守るべき遥ちゃん」も意味してるのではないかと思います。侑のセリフにもあったように、遥ちゃんはもう、守ってもらうだけの人じゃないのです。高校に入学し、徐々に大人に近づきつつある。それでも彼方の中では、遥ちゃんは「守るべき人」だったのです。

 

f:id:torikai24ll:20210103155621j:plain

「駆け足な Day by day」という歌詞とは裏腹に歩調はゆっくりです。週5でバイトをして、家事もして、スクールアイドル活動や学業にも励む彼方ちゃん。そんな生活を続けていたら、倒れてしまって当然です。むしろこの生活を維持できてることが驚きでもあります。下手したら過労で入院モノなのでは……。しかし彼方ちゃん本人は苦とは思っていませんでした。たくさん抱え込みすぎてせわしなく過ぎていく日々、だけど本人はそう感じていない、という対比が「駆け足」と「ゆっくりな彼方ちゃんの歩調」だと解釈しました。

スクールアイドルも、家事も、遥ちゃんの世話を焼くことも楽しいことだから、夢中になってオーバーワークになってしまっていました。このあたりがクラゲのイメージと重なるように思いました。一生懸命にがむしゃらにヒレを動かして泳ぐのではなく、ゆらゆらと漂うように進んでいく。気づいたら遠くまで来てしまっていました。すべて自分一人で背負いこみ、遥ちゃんを置いてけぼりにして。

 

「強くなれたんだ」のフレーズの所では彼方ちゃんは室内で傘をさしています。2つのカットの両方とも場面は夜であると思われます。きっと遥ちゃんが寝てしまった後の時間ではないでしょうか。家事やバイトをするのも、夜遅くまで頑張れるのも、スクールアイドルに打ち込めるのも、すべて遥ちゃんが居たからこそ。「そのぬくもりで」の所で目が隠れてるのも、色々妄想が広がっていいですね。遥ちゃんへの感謝、ごめんねの気持ち、そしてこれからのこと……沢山の想いがぎゅっと詰まったフレーズだと思います。目元は隠れていますが、このときの彼方ちゃんはどんな表情をしてたのでしょうか。妄想は無限大です。

f:id:torikai24ll:20210103162637j:plain

 

Bメロでテンポが速くなるのに合わせて、彼方ちゃんも踊るように、跳ねるように躍動します。遥ちゃんを置いてけぼりにして遠くまで流れ着いたクラゲは、再び遥ちゃんの元へと駆けていきます。そして印象的な傘を放り投げるカット。姉妹二人で大きな夢を抱きしめたなら、空へと羽ばたいていけるのです。

f:id:torikai24ll:20210103160235j:plain

 

サビ

もはや説明不要かと思います(オイ) 遥ちゃんと彼方ちゃんの姉妹が2枚の羽に例えられるとか、歌詞に「ハルカカナタ」って入れてきてエモすぎるとか、きっと皆さんもお気づきでしょうし、先達の方々によって沢山語られてきていると思います。そのあたりの話は省略して、クラゲの話をしようと思います。

f:id:torikai24ll:20210103160300j:plain

「待ってるの」の所でクラゲの傘が再登場します。歌詞通り「美しい空が待ってる」、つまり、「姉妹で大きな夢を抱きしめて羽ばたいた先に待っている、美しい景色」という意味に加えて、彼方ちゃんが遥ちゃんを「待ってる」という意味もあるのではないでしょうか。蝶になって羽ばたく前の、クラゲの彼方ちゃんの言葉でもあると捉えました。ゆらゆらと漂い、クラゲはいつの間にか遠いところまでやってきていました。守るものと守られるもの。対等ではない関係になってしまっていましたが、実は心のずっと奥で姉妹二人が並ぶことを「待っていた」のだと思います。彼方ちゃん自身その深層心理に気づいていなかったので、一人で背負いこんでしまったのではないでしょうか。

 

二人が対等な関係となり、ともに同じ夢を見る。姉妹だけどスクールアイドルとしてはライバル。この関係性めっちゃ尊くないですか。願わくは同じステージで歌うところも見てみたいなぁ……なんて思います。

 

最後に

姉妹のすれ違い…...なんですけれども、実は同じ想いだったんですよね。お互いに大切に想っていて、一人で解決しようとしてしまっていた。その二人が手を取り合って同じ夢を目指していく。心がほんわかと温まるお話でした。やっぱり彼方ちゃんは三年生でお姉ちゃんなんだなぁってつくづく感じた第7話でした。二人の姉妹の未来に幸あれ――

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会6話感想

速いもので、もうすぐ2020年も終わろうとしています。アニメの方も最終話が終わってしまって、少し寂しいような気持ちです。本当にアニメスタッフさん、キャストの皆さんには感謝しかありません。めちゃめちゃ満足度の高い、ファンを唸らせるような作品を作り上げてくれました。スクスタネタやキャストネタなど、小ネタも盛りだくさんに散りばめられていて、本当に愛の詰まった作品でしたね。感謝してもしきれません。

 

アニメが最終話まで終わってしまったのに、めちゃめちゃ大遅刻で6話の感想です。どんなに遅くなろうとも13話分感想を書こうと思っているので、見守って頂ければ幸いです。では早速、6話の感想を話していこうと思います。

 

 

愛・スクールアイドルとの出会い

 

f:id:torikai24ll:20201231182909j:plain

実は6話にして初めて桜が出てきました。桜からは春、始まり、新生活といったイメージを連想させます。μ’sAqoursのアニメでは1話で桜が出てきましたが、アニガサキでは登場しなかったので、おや?と思っていたのですがようやく出てきましたね。今回の桜は璃奈の高校生活のスタートを象徴する形で登場しました。前作まではスクールアイドルのはじまりを象徴するものとして1話で描かれていた桜ですが、アニガサキではその象徴に桜をチョイスすることをあえて外しているんじゃないかと私は思います。歩夢と侑の平凡な日常に色を与えてくれたのは、せつ菜の文字通り燃えるようなライブパフォーマンスでした。ありふれたコンクリートの街、ショッピングセンター、起伏のない普通の放課後。そんな無機質な世界を、スクールアイドルのパフォーマンスは鮮やかなものに変えてしまうのです。この対比を強調するために、あえて桜を登場させなかったんじゃないかなって思いました。

 

さっそく脱線してしまいましたが、話を本題に戻します。

桜が象徴するように、カレンダーの日付はおそらく四月。入学したてで璃奈は勿論、他のクラスメイトも友達を作りたい!と思っている時期なのでしょう。まだクラスの中の関係が流動的な時期。ですが、だんだんと仲のいい子どうしで固まり始めてきていて、璃奈としても焦りはじめてきた。そんな時期ではないでしょうか。

 クラスメイト3人が放課後ゲーセンに寄ろうよ、と話しているのを横目で眺める璃奈。声をかけるも、一緒にジョイポリスに行こうよ!と伝えることが出来ず、落ち込んでしまいました。そんな中、愛さんと出会います。クラスメイトとも上手く話せないのに、上級生となんて……おびえる璃奈でしたが、その気持ちを読み取ってか「怖くないよ」と伝える愛さん、流石ですね。少し強引に璃奈の手を引っ張ってジョイポリスへと駆けていく。愛さんだからこそ出来ることだなぁって感じました。

f:id:torikai24ll:20201231183920j:plain

愛さんの優しさにどれほど救われたでしょうか。この愛さんとの出会いがあったからこそ、一歩前へ進むことが出来たのだと思います。そして優木せつ菜との出会いは、璃奈に勇気を授けました。その熱さに身を焼かれてしまうかのように力強く、大好きを伝えることが出来るスクールアイドル。それが優木せつ菜なんです。こんな風に自分の気持ちをまっすぐ伝えることができれば……!そんな想いが璃奈を決意させたのだと思いました。

 

 そして今の私はもっとたくさんの人とつながりたいと思っている。

今からでも、変われるんだ!!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第6話「笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)」

 

もしかしたら、もう桜の時期ではないのかもしれません。それでも。

初めて人とつながることが出来た。友達が出来た。

ずっと踏み出せないと思っていた一歩を、愛さんに手を引かれて踏み出すことが出来ました。だから二歩目、三歩目を踏み出していきたい。そのきっかけはスクールアイドル活動の中で掴めるのではないか。璃奈の新しい挑戦が始まります。

 

 

ダメな所も武器に変えるのが、一人前のアイドルだよ!

 

みんなはこんな事でって思うかもしれないけど、どうしても気になっちゃうんだ。

自分の表情が......ずっとそれで失敗し続けて来たから。

あぁ、ダメだ、誤解されるかもって思ったら、胸が痛くてギューって

こんなんじゃ、このままじゃ!!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第6話「笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)」

 

f:id:torikai24ll:20201231183520j:plain

「こんな事でって思うかもしれないけど」って言葉にはすごく共感しました。他の人は普通にできていることが自分にはできない。自分は普通じゃないんじゃないか。異常なんじゃないか。そんな恐怖に襲われることが私にもあります。大半の悩みがもしかしたらそうなのかもしれません。自分以外の他人にとっては何ともないこと。それだからこそ不安にもなるし、人に打ち明けるのが怖くもあります。

 

それでも璃奈は勇気を出して伝えることが出来ました。その悩みを誰も笑わず、馬鹿にしないのは勿論、一緒になって考えようとしてくれる。寄り添ってくれる。そんな仲間に巡り合えてよかったね璃奈ちゃん......気づいたら泣いてました。優しい世界。

 

「璃奈さんにもできること、たくさん有るのに」というセリフに対して璃奈は否定しようとしますが、それを遮って次々にいいところを挙げていくシーン、すごくよかった。そして最後に愛さんが抱き着くシーンもエモエモでした。

他のメンバーに言われてしまった長所も、まだ言われていない長所も、愛さんだけが知っている長所も、まだ誰も知らない長所も、全部ひっくるめてりなりーが好き!!

そんな想いからのハグだったんじゃないかなって思います。りなあい尊い......!

 

f:id:torikai24ll:20201231183549j:plain

 

 璃奈さんとこういうお話できたの、初めてですね

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第6話「笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)」

 

きっと璃奈は自分の気持ちを伝えるのを怖がっていたのではないかと思います。表情のせいで誤解されたら、勘違いされてしまったらどうしよう。そんな気持ちのせいで自分のことをあまり語ってこなかったのではないでしょうか。だからこそ璃奈の悩み、スクールアイドルとしての具体的な目標を、同好会のメンバーは今まで知らなかったのだと思います。一人心の中に閉じ込めた感情が決壊するように溢れ出た言葉。それでも、ちゃんと同好会のみんなに伝わっていました。

 

りな子。ダメな所も武器に変えるのが、一人前のアイドルだよ!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第6話「笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)」

 

出来ないことは出来ることでカバーすればいいってね

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第6話「笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)」

 

このセリフ、めちゃめちゃ名言じゃないですか!?上手く出来ないことがあってもいいんだ。それが理由で歩みを止めてしまうくらいならば、得意なことで補えばいい。前に進むための手段は決して一つだけじゃないんだよって。

時には不安になったり、弱気になることもある。そんな弱い自分を吹き飛ばしてくれるのは「カワイイ」というかすみんのスクールアイドル像なんだ。不安だからこそ可愛くいようと頑張れるんだ。だからカワイイをみんなに届けたい!それこそが中須かすみの生き方なんだ!!と歌ったのが無敵級*ビリーバーだと私は解釈しています。今回のセリフも無敵級*ビリーバーのメッセージと重なります。出来なくたっていい。その出来ないことは強みになりうるんだ。出来ないからこそ出来ることがあるんだ!そんな想いが詰まっています。個人的にめっちゃエモエモポイントでした!

 

ツナガルコネクト

 

璃奈ちゃんの曲らしい電子音が心地いい曲でした!ジョイポリスという空間も相まってか、弾むような、ワクワクする曲。プロジェクションマッピングのステージもめちゃくちゃ璃奈ちゃんっぽくて良きです。

璃奈の得意な技術を生かして生まれたキャラクターについて「あれは本当の私じゃないから」と評していました。ですがそのキャラクターも「自分の一部」だと、心境の変化があったのではないでしょうか。自分の得意分野を使って、感情表現を補うことは決して間違いではないのだと。むしろ前へ踏み出すために必要なことなんだと。今回のステージの衣装はそのキャラの具現化をイメージしているように思いました。

 

違う姿 違う形 なのにどうして 同じ気持ち

 

段ボールor璃奈ちゃんボードをかぶった姿と、ありのままの姿の対比は勿論ですが、デジタルで生み出したキャラクターとの対比もあるのではないかと感じました。完全なデジタルなキャラクターに頼らなくても、天王寺璃奈という女の子は気持ちを伝えることが出来るのだと。

 

f:id:torikai24ll:20201231182948j:plain

 

曲中で璃奈ちゃんボードは勿論ですが、ボディランゲージもフルに活用していますね。特にAメロで璃奈の苦悩を表現する振付が印象的でした。表情は璃奈ちゃんボードの力を借りますが、さらに相手に伝わるように体でも表現する。まさにスクールアイドルだからこその表現手法ですね。普段から表情も勿論ですが、リアクションもちょっとオーバー気味なかすみちゃん。演劇で培われた豊かな表現力を持っているしずくちゃん。そんな心強い同級生がいます。1年生3人組であーでもない、こうでもないと言いながら振付を考えていたんじゃないかと勝手に妄想してます。ここのメイキングというか、振付会議の様子見てみたいです。

 

最後の璃奈ちゃんボードのシーン、めっちゃ好きです。一生懸命表情を描いて、ためらったり、尻込みしたりすることなく真っすぐに自分の気持ちを伝える。やっとクラスメイトに気持ちを表現することが出来て本当に良かった……!

 

f:id:torikai24ll:20201231183219j:plain

 友達になりたいって想いから「ライブやる」って言ってしまう不器用な所も、「今回は出来ないからやらないは無しだから」という強い決意も、見守ってあげたくなるような気持にさせられました。不器用だけれども精一杯頑張ろうとする姿には心を打たれ、勇気を貰いました。PVでの動く素顔の璃奈ちゃんなんてもう反則級ですよねコレ。この1話に璃奈ちゃんの魅力がギュッと詰め込まれていました。アニガサキスタッフにはひたすら「ありがとう」と伝えたいです。

 

f:id:torikai24ll:20201231183233j:plain

今回のブログは以上になります。ここまでご覧頂きありがとうございました!

La Bella Patria  (ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会5話感想)

8話まで放送されている状態でこの記事を書いています。遅くなってごめんなさい。

めちゃめちゃ遅れてしまいましたが、果林回までには何とか更新しよう思い、滑り込みで書きました。5話の感想です。

 

エマと果林の関係性が尊かった回でした!ちょっと強引な「来て」ってセリフも最高だったし、お台場デートのシーンもめっちゃ良かったです。最初は戸惑っていた感じがあった果林がだんだん表情が柔らかくなっていくところが本当に好きです。

f:id:torikai24ll:20201128082052j:plain

ソロ曲のLa Bella Patriaは、エマのたくましさを感じる曲でした。「スクールアイドルになりたい!」という一心で海を越えて見知らぬ土地に一人で飛び込んでいくのは、とても勇気のいることだと思います。

叶えていくんだ これから何が起こっても

譲れないこの思い 勇気に変えてこうよ

La Bella Patria この歌声 届くように

このサビの部分めちゃめちゃ好きです。ほわほわっとしたエマの胸の中にこんな熱い情熱が秘められてるたんだと思うとグッときました。エマの持っているカッコよさも感じた曲でした。ゆったりとしたテンポの曲ばかりだったので、今回のアップテンポな曲にはいい意味でびっくりさせられました。

 今回は「La bella patria」に焦点を当てて、その個人的解釈を話していきたいと思います。

f:id:torikai24ll:20201128082445j:plain

 

 

朝香果林というキャラ

 

朝香果林はそんなキャラじゃない

クールでかっこつけて大人ぶって……それが私なの

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第5話「今しかできないことを」

 

その「クールでカッコいい」という在り方は果林がずっと大切に守ってきたものなんだと思います。モデル活動をする中で確立した「朝霞果林」の姿だったのではないでしょうか。だからこそ、その枠からはみ出してしまうのを恐れているのです。

クールなキャラがモデル活動の中で「目指すべきモデル像」であるとするならば、それこそが「故郷」といえると思います。もしくはモデル活動そのものが「故郷」なのかもしれません。クールでカッコいいというイメージは今や足枷になっていますが、モデル活動を始めた時の原点であるのではないでしょうか。この原点こそが「故郷」と言うことができるのではないでしょうか。

 

皆で一つのことに向かって、悩んだり言い合いしたり笑ったり

くだらないと思って遠ざけて来たことが全部、楽しかった!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第5話「今しかできないことを」

 

もしくは自分を守るためのキャラだったのかもしれません。皆で夢を目指して熱くなっていたけれど、その夢の途中で悲しい出来事が起きたとも考えられます。だから熱くならないように、クールにいようとしたのではないでしょうか。

このクールなキャラがモデル活動の中で「目指すべきモデル像」として積極的に生み出されたのか、自己防衛のために消極的に作られたのかは、今の段階ではまだ分かりませんし、両方の側面を持つのかもしれません。

このあたりの詳しい話は果林の個人回でやってくれるでしょうから、今の段階では予想にすぎません。ですが悲しい出来事があったのは確かだと思います。

 

果林ちゃんの笑顔、久しぶりに見たよ。

私、もっと果林ちゃんに笑っててほしい!

もっともっと、果林ちゃんのこと知りたい!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第5話「今しかできないことを」

 

f:id:torikai24ll:20201128081337j:plain

もっと知りたい、とのセリフから果林がエマに自分自身のことを話す機会は少なかったのではないかと推測されます。朝香果林というキャラを崩したくない、という想いから本当の自分を伝えることが出来なかったのではないでしょうか。そのことを正当化するために、自身のことを多くは語らないために「クールでカッコいい」朝香果林でいようとしたのかもしれません。この悪循環がエスカレートしていって、笑顔がきえてしまったのでしょう。親友の前でさえも自分に嘘をついて、本当の気持ちを隠そうとしていました。本当はスクールアイドルに興味があったのに、自分のキャラを崩すことを恐れて一歩を踏み出せませんでした。

しかし、モデルとして自身を表現するためにクールでいることは一定の価値はあったのだと思います。自分の好きな服、似合う服の魅力が伝わるように自分自身をストイック磨く女の子が果林さんです。栄養バランスやカロリーにも気を使い、プロポーションを維持するために努力を怠りません。その努力の中で指針となったのが「クールでカッコいい」イメージだったのではないでしょうか。つまりモデル朝香果林としての原点(=故郷)であると言えると思まいます。

 

たとえ苦い思い出があったとしても、自身のアイデンティティを育んでくれた場所。その故郷はかけがえのないもので、大切なものだよね。その想いを抱きしめて、勇気を出して故郷を飛び出してみようよ!私もスクールアイドルになるためにスイスから海を越えてやってきたんだよ。果林ちゃんにも出来るはずだよ。やりたいと思ったそのときから、もう始まっているんだよ。勇気を出して踏み出してみよう?大丈夫、私も一緒だから。

 

ちょっと拡大解釈ぎみな所もあるような気がしますが、こんなふうなメッセージも込められているんじゃないかと妄想しました。故郷をどう定義するかで色々解釈が変わってきて面白いですね。今回はちょっと変わった角度から解釈してみました。

 

リンドウの花

 6話の前の振り返り生放送で、「La bella patriaのPVに出てくる紫の花は果林ちゃんのことを表わしているんじゃないか」ということが話題に上がっていたので、その説を補強してみようと思って色々と調べてみました。

f:id:torikai24ll:20201128063309j:plain

 一番印象的なのはアルプスを背景にしたこのシーンですね。

実はLa bella patriaの曲以外にも登場していました。

f:id:torikai24ll:20201128064235j:plain

気づいていましたでしょうか?ホワイトボードのマグネットのお花も同じ花だと思われます。

 

じつはこの花、スイスの国花なのです。リンドウといって、花言葉は「あなたの悲しみに寄り添う」 いつもと様子が違う果林のことを心配し想いを馳せるこのシーンで、このマグネットのリンドウを繰り出してくるとは、アニメスタッフさん流石です……!花言葉もエマの果林に対する感情と重なりますね。

ちなみに、スイスではチャボリンドウという種類のリンドウが一般的なのだそうです。PVのようにアルプスの草地に生え、雪解け後の春から初夏に花を咲かせるそうです。雪解けの後に花が咲くというところも果林と重なるように思えます。

f:id:torikai24ll:20201128070129j:plain

チャボリンドウ

花好きの植物写真集(フリー素材)https://horticulture.flowers/?p=4166

 

 

リンドウ属はアフリカを除く世界各地に300種ほどあり、日本には約13種が分布するそうです。*1

リンドウは日本人にとっても古くからなじみのある植物で、古典や和歌にもしばしば登場しています。最古の和歌集である万葉集にこんな歌があります。

 

道の辺の 尾花が下の 思ひ草 
今さらさらに なにか思はん

作者不詳(巻第十・2270番)

 道端の尾花(ススキ)の下に生えている思い草(リンドウ)のように、私は今さら何を思い悩むことがあるでしょうか。

 

未練を残しながらも意地を張って強がっている様子を詠んでいるのだと私は捉えました。自分のキャラに囚われてしまい、エマにも自分にも嘘をついてしまう果林ちゃんと重なります。「今さらさらに」という所が、キャラを変えることは出来ないとしり込みしてしまう果林ちゃんっぽいように感じました。「思ひ草」って言葉の響きも風情があって好きです。

 

ただ、思ひ草は何を指すのか、中世以降わからなくなっていたようです。順徳天皇ツユクサ九条兼実はシオンなど、それぞれ勝手にコレと思う秋草をあてはめていました。そのため、思ひ草=リンドウは諸説ある中の一説です。残念なことに現在では想い草は「ナンバンギセル」という植物だという説が一般的だそうです。もっと詳しく知りたい方は以下のリンクを読んでみてください。

tenki.jp

 

 スイス出身のエマちゃんのソロ曲を読み解くために、万葉集を調べることになるとは自分でもびっくりしてます。

今回のラストで「果林ちゃんのは私が撮るね」と言ってたので、9話はエマが果林のPVを撮るみたいですね。9話もえまかりが期待できそうです!果林ちゃんからの返歌はどういう歌なのでしょうか。今夜の放送が楽しみです!!

 

サイコーハート ~ハンドメイドの楽しい~(ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会4話感想)

お久しぶりです。なかなかブログを書く時間が取れず、大遅刻してしまいました。

もはや遅刻と呼んでいいレベルではないような気もしますが…...

この記事を投稿している時点でもう8話まで進んでしまいました。

めちゃくちゃ遅れてしまいましたが、全話分ブログを書きます!

なので気長に待っていてください。

前置きはこのくらいにして、本題に入ります。

 

未知なるミチ

 

屋上から聞こえるみんなを見て

自分も未知なるミチにチャレンジしてみたいってそう思ったんだ

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第4話「未知なるミチ」

 

f:id:torikai24ll:20201122182808p:plain

今回の冒頭の短い一文ですが、この中に愛さんというキャラクターがギュッと詰め込まれてますね。ダジャレにもなってるし、めっちゃGoingの歌詞も引用してきてるしで本当にどこまで丁寧なんだ…… 

 

「みんなを見て」ファンとしてではなく、「スクールアイドルをやりたい!」と決意しする、というのがすごく愛さんらしい受け取り方だと感じました。

 愛さんの大切にしていることは「楽しむ」ことで、 楽しいことをしている輪に入っていきたい!というのも勿論ですが、それ以上にもっと楽しくしていきたい!と思う女の子なんだと思います。自分が楽しむだけではなく人を楽しませる人でいたい、笑顔の連鎖を繋げていたい。もし涙を流している人がいれば、笑顔にしてあげたい。そんな風に無意識に感じちゃう愛さんならではの決意だと思いました。

 

「楽しむ」だけでなく、「チャレンジ」という言葉も愛さんを語るうえで大切なキーワードになると思います。

 

全てノリノリで乗り越えろ 時々不安だけど

チャレンジしなければ始まらないよ

めっちゃgoing/宮下愛

 無理だって言われる方がアガる

不可能を可能に変えてみせるよ

めっちゃgoing/宮下愛

 

スクスタ時空で同好会に勧誘され、入部した直後に廃部の危機にあると知らされますが、そのときの言葉は「やったろーじゃん!!」でした。入部前には存亡の危機にあると知らされていなかったわけですから、「騙したな!」って怒っても無理ないように思えますが、むしろより一層やる気がみなぎっていました。楽しそうなことで、それが簡単には実現できそうにないとき、愛さんのやる気は燃え上がるんです。

 

アニメ時空でも今や「部室棟のヒーロー」ですが、そのスポーツを始めたばかりの時はうまくプレーできずに、悔しい思いをしたことがあるはずです。当たり前ですが新しいことを始めるときは誰もが初心者です。基礎的なことでもつまいづいたりします。それでも、だからこそもっと上手くなりたい!と思って練習をしてきたんだと思います。上手くなれたらもっとみんなと楽しめるはず!きっとそんな想いが彼女の原動力となっていたのではないでしょうか。

f:id:torikai24ll:20201122184716j:plain

天才肌で物事の吸収が速いと評されたりしますが、それは愛さんの「楽しい」のメンタリティー故のものなんじゃないかなって感じました。新しいことに果敢にチャレンジしていく中で感じる、上手くなっていくことの楽しさと、それによってみんなと一層楽しめることの楽しさ。その楽しさを知っているからこそ努力することは苦ではなくて、むしろ楽しいことだから気づいたら夢中になっている。柔軟で苦戦する璃奈と彼方にアドバイスをして、出来るようになることの楽しさを教えた事も、そんな愛さんならではだと思います。

 

「好きこそものの上手なれ」というように、楽しいことだから上達も早いのだと思います。小さい頃から色んな事にチャレンジしてみて、たくさん経験値を積んだこその「天才肌」であって、決して先天的なものではないのだと私は考えています。

「楽しそう!」と感じたらすぐに始めてみる。そして頑張るうちにもっと楽しくなってくる。そんな風に積み重ねてきたのが愛さんなのです。私自身、新しいことにチャレンジをするのを尻込みしがちなので、この姿勢は見習わなきゃなって思います。

 

「スクールアイドルにはみんなを楽しませる力がある」「今までにやったことが無いことだからチャレンジしたい」という二つの大きな感情が入部を決意させます。入部するまであっという間でしたが、この動機が愛さんらしくてすごく良かったです。

 

スクールアイドル概論

f:id:torikai24ll:20201122185302j:plain

このシーンせつ菜とかすみが部長、副部長のような立ち位置でしたね。一度は衝突した二人ですが、だからこそお互いに手を取り合って部をまとめていこうとしているのだと思います。二人がこの立ち位置にいることの背景を想うと、とてもアツいものがありますね。

今回の話ではかすみのセリフに彼女の内面的な成長を感じてほっこりしたので語らせてください。なんてったって推しでもありますから。

 

かすみは自分の目指すスクールアイドル像を歩夢に押し付けてしまったという失敗も経験しています。そして何よりスクールアイドルに対する熱い情熱を持っています。だからこそ、最年少ながらも一歩前に出て部をまとめていこうとしているのではないでしょうか。自分の未熟だったところに気づけたからこそ、同じ轍を踏んでほしくない。そんな意思を感じます。

 

「かすみん、全国ツアーがやりたいです!」というセリフも、部を引っ張る立場ならではのセリフだと私は感じました。昔のかすみなら「かすみんは絶対カワイイのがいいです!!」って言いそうじゃないですか。自分の好きなことを押し出したものではなくてニュートラルな意見を出すあたりが、かすみの成長を感じます。議論を始めるきっかけとして、他のみんなの意見を引き出すために全国ツアーという意見を出したのではないでしょうか。部を引っ張る立場として、自己主張ではなくみんなのやりたいことを聞くために出た発言なのだと思います。

 

そのかすみの発言を皮切りに、エマ、しずく、彼方、せつ菜はそれぞれに自分のやりたいことを意見していきます。やりたいことはバラバラで、やはり意見はまとまりそうにありません。 

 

ライブの事はおいおい考えるとして……まずは特訓です!

どんなライブをするにしてもパフォーマンスが素敵じゃなきゃファンがガッカリしちゃいますからね!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第4話「未知なるミチ」

 

f:id:torikai24ll:20201122190748j:plain

意見がまとまらないから議論を切り上げたというのも勿論ですが、「それぞれに大切にしてる想いがある」ということを特訓を通して新入部員に伝えたかったのかなと思いました。実際に声を出し、体を動かす中で、それぞれのスクールアイドルとしての在り方を知ってほしかったのではないでしょうか。その上で、どうして今の膠着している状態があるのか、伝えたかったのだと思います。「特訓です!」と言った瞬間、スクールアイドル概論の講座は始まっていたのです。

それぞれのやりたいことは違っても「ファンを楽しませたい」という想いは共通して持っています。それこそが一番大切な想いであり、表現の形は違えどもみんなの持つ目標でもあります。「正解はない」と説いた座学の講義も勿論なのですが、歌のやダンスのレッスンもスクールアイドル概論の一部なのです。座学でそのスクールアイドル理念を学んだ後は、そのことを体を動かして学ぶ実技の授業だったのではないでしょうか。

f:id:torikai24ll:20201122183558j:plain

かすみんがアイドルはどれも正解って言ってたけど、実際その通りっていうか。みんなやっぱりタイプ違うけど。そこが最高って感じだし!

このメンバーでどんなライブをするんだろうって、考えただけでめっちゃワクワクするよ!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第4話「未知なるミチ」

 

練習後、愛さんは座学で学んだ内容を実感を持って習得していました。それぞれに大切な想いがあって、その想いからスクールアイドルのパフォーマンスが生まれるのです。その多様な想いを全て実現することと、メンバーが一つの色にまとまって9人でライブをすることは二律背反の関係にありました。そこで「ソロアイドル」という可能性が提示されます。

 

ソロアイドルという挑戦

 

同好会の皆が悩んでるのって自分を出せるかって事でしょ?

今まで色んな部活で助っ人やってたけど考えてみたら皆と一緒にやる競技ばかりでさ。いや~めっちゃハードル高いよね

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第4話「未知なるミチ」

 

 部活の助っ人に行くのと同じように、「楽しそうだからその輪に加わりたい!!」という気持ちで同好会に参加したのだと思います。けれどもそこは正解もルールもない世界。しかもステージには自分一人だけなのです。これが例えば野球であれば、部員たちの輪に加わればルールや、バッティング、グローブでの捕球の仕方など、基本的なプレーを教わることができたでしょう。それを会得することが、そのスポーツをプレーするうえでの第一歩となります。

しかしソロのスクールアイドルはその一歩を自分で見つけなくてはなりません。少し無理やり感がありますが例えるなら、歌やダンスの練習はグローブとバットです。プレーするための道具を渡されただけなのです。その使い方も、ルールも誰も教えてくれません。それをどんな風に使うのか、どんな風に場を盛り上げるのか、どういう風に表現するのか。それには正解はありませんし、その答えは自分で見つけるしかないのです。

その一歩を踏み出すためには「自分」を見つけなくてはいけません。それはソロとして活動する上で一番大切なものであって、ファンに届けたいメッセージ。愛さんが今までやってきた部活の助っ人として参加することは、そのスポーツのルールという「枠」が前提としてありました。その枠の中に入ってプレーしてきたので、自分の個性とはいったい何なのか、悩んでしまいます。しかし、エマが彼女にヒントをくれました。

 

でも皆といる時いつも楽しそうにしてたよね。

私達色々あってようやくスタートラインに立ったばかりなんだ。きっと皆が不安で、でも本当はそれと同じくらいこれからも期待してると思うんだ。

そうじゃなきゃ悩まないもの。まだ1歩を踏み出す勇気出ないだけ。

愛ちゃん来てから同好会の皆の笑顔すっごく増えてるんだよ

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第4話「未知なるミチ」

 

f:id:torikai24ll:20201122200905j:plain

皆の意見がまとまらないのを見て「みんな言ってること全然違うけど――」って地雷を踏みぬいてしまうけれども、「とにかく楽しいのがいいかな」という一言で場の空気を柔らかく変えることができます。せつ菜のアニメトークが暴走してしまった時も、そのアニメに興味を示してさらに「アニソン縛り!」と場を盛り上げることができます。

そんなことを無意識にやってしまうあたりが彼女のすごい所ですよね。こういった緩衝的な役割も勿論ですが、愛さん自ら意識せずにいつの間にか場を盛り上げて、楽しいで一杯の同好会にしていたんだと想像できます。

 

そんな事でいいんだ。誰かに楽しんでもらう事が好き、自分が楽しむことが好き。そんな楽しいを皆と分かち合えるスクールアイドル!それができたら私は未知なる道に駆け出していける。道だけに!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第4話「未知なるミチ」

 

f:id:torikai24ll:20201122201442j:plain

  エマとの会話で自分の個性に気づけた愛さん。

太陽を掴み、衝動的に走り出す愛さんは穂乃果や千歌の姿と重なります。ワクワクすることを思いついたら行動せずにはいられない。体が勝手に動いてしまう。まさにオレンジの系譜だなぁって感じました。

 

サイコーハート

自分の伝えたいもの何なのか掴めた愛さんは衝動的に走り出し、集合場所であった公園にたどり着きます。今回はたまたま集合場所となっていましたが、きっと小さい頃、「何か楽しいことがしたい」と思い立ったら衝動的に公園に飛び出していたんだと妄想しています。高校生になった今は飛び出す先が公園から部室棟に変わっただけで、彼女の根本の部分は小さい頃から変わっていないのだと思います。

具体的に「○○がしたい!」っていうものは無くても、とにかく飛び出してしまえば面白いことが湧いてくるのです。飛び出した先には友達がいて、たとえ一度も遊んだことが無くても仲良くなってしまう。楽しい空間を「作り上げて」しまう。それが愛さんなのです。

f:id:torikai24ll:20201122194503j:plain

愛さんのステージに登場する遊具は実際にその公園に据え付けられているものではなく、段ボールで作られたハンドメイドのものでした。素朴な絵の具のようなタッチも手作りならではの味を出してますね。滑り台、ブランコ、ジャングルジムなどといった公園の遊具はあくまで素材でしかなくて、それを愛さんの手でより楽しいものに作り替えていたのではないでしょうか。それらの遊具を使った新しい遊び方を発明する天才だったんじゃないかなって思います。

 

f:id:torikai24ll:20201122194759j:plain


サッカーやバスケなどの既存の枠に飛び込んで助っ人としてプレーする、と自身のことを振り返っていたので「自分の色ってなんなんだろう?」と悩んでいました。確かにルールやチームという枠組みはありますが、その枠の中で「どうしたらもっと面白くなるんだろう?」ということを無意識に追求していたのではないでしょうか。それは技術的なことも勿論ですが、チームメイトとの声の掛け合いや応援なども含まれていたのだと思います。そんな風に楽しいを作り上げていくことができるのです。

それと同じことをソロライブでもやっちゃえばいいんだ。ルールがないなら新しく楽しいルールを生み出せばいい。だってステージは一人じゃないのだから。

 

f:id:torikai24ll:20201122195013j:plain

この笑顔最高すぎません??ちょっと大人びた印象もありましたが意外と幼いような、無邪気な笑顔。子供心をずっと持ち続けていて、だからこそ楽しいを追求していけるのかなって思いました。愛さんみたいに私もなりたい。それにしても、この笑顔めちゃいいなぁ(大事なことなので2回)

 

今回の虹ヶ咲のアニメでカギとなる「ソロライブ」の可能性を楽しいの天才である愛さんが具現化して証明するって構造、めちゃめちゃ上手くないですか?ソロ活動という新しい取り組みのワクワク感が愛さんを通じて、アニメを見ている私たちにも伝わってきます。他のメンバーはどんなソロライブを見せてくれるのでしょうか。この記事を書いてる時点では残すところ果林だけとなっています。全員のソロ曲が披露された後、同好会はどこへ向かうのでしょうか。今後が気になります。

 

 

DIVE!~「中川菜々」と「優木せつ菜」がひとつになるとき~(ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会3話感想)

今回はせつ菜回!!ラストのライブシーンでのせつ菜ちゃんの笑顔にやられました。こんなの可愛すぎですやん!

f:id:torikai24ll:20201101115614j:plain

今作の「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」は、いままでのシリーズとは異なり、ソロでの活動が大きな特徴となっています。皆がそれぞれの「大好き」な形をもっていて、それぞれがステージでそれを表現する。

優木せつ菜の叫ぼうとした「大好き」は、物語の上でキーとなる概念だと思います。

だからこそ今回の物語を通して「優木せつ菜」という少女をどう解釈するか、あれこれ考えているうちに、いつのまにか長文になってしまいました。

 

今回の物語は、生徒会名簿に「優木せつ菜」の名前は無いという事実が発覚した2話のラストシーンの続きから始まります。名探偵果林先輩により、優木せつ菜の正体が実は生徒会長であると暴かれました。

 

元々隠しきれるものとは思っていませんでしたから。

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

f:id:torikai24ll:20201101115910j:plain

隠そうとしていた、ということはつまり「優木せつ菜」と「中川菜々」は別人であろうとした、と言えると思います。もともと一人の少女であったものが「優木せつ菜」と「中川菜々」の二人の別人に切り離された。言い方を変えれば、隠していた「大好き」を表現するために「優木せつ菜」を生み出し、残ったものが「中川菜々」なのです。

 

 「優木せつ菜」という存在を消そうとしていた「中川菜々」であったが、その乖離した二人の少女がひとつになり、一人の完全体の少女としてのスクールアイドル「優木せつ菜」が生まれる。

今回はそんな物語であると私は解釈しました。そんな個人的な解釈を話していこうと思います。

 

 

ひとつくらい自分の大好きなこともやってみたかった

 

期待されるのは嫌いじゃなかったけど、

ひとつくらい自分の大好きなこともやってみたかった

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

f:id:torikai24ll:20201101120631j:plain

これはせつ菜という少女の葛藤が詰まった、とっても重いセリフだと感じました。

模試の勉強も、生徒会長という立場も、そして部屋に飾られた賞状も、期待に応えるための努力ゆえのものでしょう。そうすることは「嫌いじゃない」といいますが、「どちらかといえば好き」というレベルで「大好き」という言葉は当てはまらないものなのだと思います。

期待に応えるためには、「大好き」を我慢しなくてはならない環境にありました。それでも「大好き」を叶えたい。それを可能にするために生み出した存在が「優木せつ菜」なのだと思います。

 

しかし「優木せつ菜」は「中川菜々」とは同一人物として存在してはいけない運命にありました。二人はイコールであってはいけないが故に「優木せつ菜」として、名前を変え、別の人物として生まれたのです。

スクールアイドルとして活動すること、それは生徒会長としての期待を裏切る行為になります。ファンに「大好き」を届けるスクールアイドルでいたいということと、生徒会長としての期待に応えたいということ、それは二律背反な願いだったのです。

 

私の「大好き」が、誰かの「大好き」を否定していたんだ。

それは結局、ただのワガママでしかなく。

私の大好きは、ファンどころか仲間にも届いていなかった。

 アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

f:id:torikai24ll:20201101120806j:plain

二律背反であったのは「優木せつ菜」と「中川菜々」だけではありませんでした。

優木せつ菜の叫んだ「大好き」の気持ちは、中須かすみの「大好き」傷つけてしまった。かすみだけではなく、きっとしずくや彼方、エマの「大好き」も傷つけてしまっていたのでしょう。私の叫ぶ「大好き」は存在しちゃいけないんだ――そんな風に「大好き」を責めてしまいます。

 

自分の「大好き」を体現することでファンの期待に応えようとしていたけれど、どちらも叶えられていなかったのだと、せつ菜は感じたのではないでしょうか。叫んでいたのは「ワガママ」であり、ファンへと届けていたはずの想いは、実は鋭いナイフであったのではないか――

 

勿論彼女に人を傷つけようだなんていう悪意はありません。自身の信じる正義であり、それによってファンが、みんなが幸せになる大きな力を秘めているのだと信じていました。それ故に努力を重ね、スクールアイドルの道を走ってきたのです。だからこそ、それが人を傷つけるものだと知ったとき、とてつもないショックを受けたのだと思います。私のしてきたことは何だったんだろう?なりたい自分はこんなのじゃなかった――

 

優木せつ菜はもういません

 

ケジメでやったステージが、少しでも同好会のためになったのなら――

「優木せつ菜」だけが消えて、新しい虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会が生まれる。

それが、私の最後のワガママです

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

f:id:torikai24ll:20201101121041j:plain

 あのステージでスクールアイドルを辞める。「優木せつ菜」という存在を消す。

それが彼女のケジメであり、罪滅ぼしでした。それでもスクールアイドルとしての優木せつ菜は残された仲間の成功を祈ります。無神経に傷つけて身勝手に姿を消しておきながら、彼女らの再起を願うのはあまりにも都合が良すぎる。それは分かったうえで「ワガママ」を願わずにはいられないのです。

 

スクールアイドルが大好きだったから。仲間たちが大好きだったから。

だから、「優木せつ菜」は存在してはならない。

 

優木せつ菜を消すということは、仲間との繋がりを断ち切るということにもなります。彼女らは「優木せつ菜」の戦友であって、「中川菜々」の戦友ではありません。

その繋がりが消えてしまうのであっても、「優木せつ菜」は存在してはならない。

 

大切なものをいくつも失ったけれど、それでよかったんだ。

これからは「中川菜々」として生きていくんだ――

 

書いていて胸のあたりがキリキリしてきました。あまりにも切なすぎる物語です。

彼女の中で仲間という存在が大きいからこそ、大好きだからこそ、こんな悲しい決断をしてしまったんじゃないかなと感じます。

 

もう一人の自分であった優木せつ菜が消え、中川菜々のただ一人が残る。

そうしたかったのに、胸の奥にしまい込んだ少女を呼ぶ声が聞こえます。

 

なんでやめちゃったのかな、せつ菜ちゃん

 

せつ菜の歌うCHASE!に感銘を受け、ライブの翌日には校内には存在するはずのない優木せつ菜をさがしていた少女、高咲侑。そんな彼女のピアノの旋律に呼ばれるように、二人は再開します。優木せつ菜ではなく、中川菜々としてですが。

 

なんでその曲――

 アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

f:id:torikai24ll:20201101124819j:plain

もうスクールアイドルのことなんて、忘れてしまいたかったのでしょう。しかし、侑にとっては忘れがたい、宝物のようにキラキラと輝く曲でした。

 CHASE!に心を撃ち抜かれた侑はスクールアイドル同好会の一員として新しい夢を追いかけようとしているのだと語ります。その場所には自分が傷つけてしまったかすみと、新しいメンバーの歩夢もいる。もう一度夢へと進み始めたと知り、安堵したように侑に告げます。

 

特に問題ありませんよ
スクールアイドル同好会は一度廃部になりましたが
新しく立ち上げてはいけないという校則はありませんし
部員が五人以上集まったらいつでも申請に来てください 

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

 

優木さんが聞いたら喜ぶでしょうね

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

 

それは生徒会長「中川菜々」としての言葉。それに対し、侑は菜々の胸の奥に封印した少女に話しかけるように、自身の気持ちを語ります。

 

なんでやめちゃったのかな、せつ菜ちゃん

こんなこと思っても仕方ないってわかっているんだけどね

きっとせつ菜ちゃんもいろいろ考えての事だろうし

でもときどき思っちゃうんだよね

あのライブが最後じゃなくてはじまりだったら最高じゃないかなって

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

 

f:id:torikai24ll:20201101121219j:plain

その言葉は純粋で、まっすぐで、だからこそ残酷です。

 

 なんでそんなこと言うんですか。
いい幕引きだったじゃないですか。
せつ菜さんはあそこでやめて正解だったんです。
あのまま続けていたら、彼女は部員の皆さんをもっと傷つけて
同好会は再起不能になっていたはずです

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

勝利に必要なのは、メンバーが一つの色にまとまること。

ですがまとめようとすればするほど、衝突は増えていって
その原因が全部自分にあることに気づきました。
せつ菜さんの大好きは自分本位のワガママにすぎませんでした。

そんな彼女がスクールアイドルになろうと思ったこと自体、間違いだったのです……幻滅しましたか?

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

  

優木せつ菜の気持ちを代弁する「中川菜々」として話していたはずなのに、いつの間にか「優木せつ菜」が語っていました。それに気づいたせつ菜はきまりが悪そうに目をそらします。

ファンの期待がこの世に「優木せつ菜」の存在を繋ぎとめようとしています。もしファンである侑が失望してくれれば、幻滅してくれたら、「優木せつ菜」の呪縛から解放されるのではないか、とさえ思っていたのかもしれません。この女の子、めちゃめちゃ不器用すぎる……侑ちゃん抱きしめてあげて!!って思いながら見てました。

 

 

走り出した! 思いは強くするよ  悩んだら君の手を握ろう

CHASE!/優木せつ菜

f:id:torikai24ll:20201101125159j:plain

「君」とは誰なのか、色んな解釈があってどれが正解、というのはありませんし、複数の意味を持っているのだと思います。今回のこのシーンを見て、「君」とは「中川菜々」である、という説が私の中で浮上しました。

 

「大好き」を叫ぶために作りだした「優木せつ菜」というスクールアイドル。「優木せつ菜」は「中川菜々」とイコールであってはいけない。ですが、どちらもせつ菜という1人の少女であることには変わりないはずです。手を差し伸べる優木せつ菜から目をそらすように、コメント欄へとスクロールしてしまいます。

 

期待されることは本来ならうれしいはずでした。その期待に応えることは、誰かを傷つけることになる。そのジレンマの中で彼女が出した答えは、スクールアイドルをやめるということでした。

 

私の「大好き」が、誰かの「大好き」を否定していたんだ。

それは結局、ただのワガママでしかなく。

私の大好きは、ファンどころか仲間にも届いていなかった。

ケジメでやったステージが、少しでも同好会のためになったのなら。

「優木せつ菜」だけが消えて、新しい虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会が生まれる。

それが、私の最後のワガママです

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

 

せつ菜先輩は絶対必要です!

 

せつ菜先輩は絶対必要です!

確かに、厳しすぎたところもありましたけど……

今はちょっとだけ気持ちがわかるような気がするんですよ。

前の繰り返しになるのは嫌ですけど、きっとそうじゃないやり方もあるはずで

それを見つけるには、かすみんと全然違うせつ菜先輩がいてくれないと

ダメなんだと思うんです!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

f:id:torikai24ll:20201101122239j:plain

自分もせつ菜と同じ過ちを犯してしまったからこそ、もう一度せつ菜とワンダーランドを探す旅に出たいと願います。そのためには自分と真逆な存在である優木せつ菜の存在が絶対に必要です!って宣言するところ、めちゃくちゃアツい。仲間とか、ライバルとか、戦友などという言葉では表しきれないような大きな何かが、そこにあります。正反対であっても、魂の一番根底にあるものが共鳴しているから、このセリフが生まれたんだと感じました。彼方も言っていたように、かすみの成長がたまらなく愛おしいです。

 

やりたいことは違っても、一緒に夢を追いかけていく仲間。それは彼方、しずくも同じ気持ちです。歩夢と侑にとっては夢を示してくれた人。「優木せつ菜」を待つ人は、待つ場所はここにあるのです。

 

スクールアイドルが居て、ファンが居る! それでいいんじゃない?

 

ファンに、仲間に届けたい、一番大切な「大好き」という想いは人を傷つける力も持っていました。だからそれは単なる「ワガママ」だったのだと定義しなおして、その気持ちを封印しようとしていました。ですが、それは情熱の炎を灯す力を持っています。侑と歩夢がそのパフォーマンスに心を撃ち抜かれ、新しい夢が生まれたように、その想いは運命を変えるほどの力を持っているのです。

 彼女の伝えたかった想いは、メッセージは間違ったものではありませんでした。そのことをファンの存在が、侑が証明しています。

 

 スクールアイドルがいて ファンが居る! それで良いんじゃない?

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

こんなに好きにさせたのは、せつ菜ちゃんだよ!!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

f:id:torikai24ll:20201101122508j:plain

ここのセリフが最高すぎでした。

届けたかった「大好き」は、ちゃんと受け取ったよ。届いているんだよ。だから間違ってないんだよ。侑のそんな気持ちがぎゅっと詰まっています。

 せつ菜のファンだからこそ生まれるセリフですね。ですがこの時の侑の感情を単なる「推しへの愛」と言ってしまうのは相応しくないと思います。勿論その側面もありますが、スクールアイドルとしての「優木せつ菜」に語りかけてるのではなくて、一人の女の子、せつ菜ちゃんに語りかけた言葉ではないかと思いました。

 

「大好き」であり続けていいんだよ。我慢しなくていいんだよ。せつ菜ちゃんはせつ菜ちゃんでいていいんだよ。

 

 「優木せつ菜」だけを消すのではなく、「優木せつ菜」も「中川菜々」も内包した、ひとりのせつ菜ちゃんという少女として存在してほしい。そんな風に思っていたのではないでしょうか。

生徒会長としての立場を望む人がいる以上、スクールアイドルであるのは、優木せつ菜という名前でないといけません。その構造的問題の解決には至っていません。それでも、同好会ではありのままのせつ菜ちゃんでいてほしい。自分の感情に嘘をついたりするんじゃなくて、まっすぐに自分の気持ちを表現できるせつ菜ちゃんであってほしい。そんな願いがあったんじゃないかと思います。

 

あなたは自分が思ってる以上に凄いことを言ったんですからね!どうなっても知りませんよ!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

 

 もともと一人の少女であったものを「中川菜々」と「優木せつ菜」に切り離していました。きっと「優木せつ菜」に移行させることができずに、ワガママと定義して「中川菜々」として隠していた大好きがあるのではないでしょうか。ですが、すべての「大好き」を解き放ってもいいんだよ、ちゃんと届いているんだよ、と侑は背中を押します。

切り離された二人の少女が出会うとき、新しい歌が生まれます。

 

これは始まりの歌です!!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

 

f:id:torikai24ll:20201101122616j:plain

切り取った概念を叫ぶのではなく、100パーセントの大好きを魂から叫ぶ。よりパワーアップしたスクールアイドルがここに誕生したのです。

 

DIVE!

 

青い海の底へと泳いでいく白いワンピースを着た少女。海の底に沈んでいたのは、キラキラと光る氷の鏡のような世界。その世界にはもう一人の自分の姿が写っていました。

 

f:id:torikai24ll:20201101122927j:plain

f:id:torikai24ll:20201101123208j:plain

水底に沈んだ世界は1話のCHASE!のステージではないでしょうか。ひび割れた大地は、その奥に宿る熱いを押しとどめているようにも思えます。自分の伝えるものは「大好き」ではなく「ワガママ」なのではないかと。それでもせつ菜の胸の中に燃える熱い気持ちはは抑えることができません。地面を突き破り、噴火のごとく舞い上がった「大好き」の炎。とどまることを知らない彼女の野望を「優木せつ菜」という存在ごと、水の底へと沈めてしまいました。

 

自信なくしてたら 心に鍵かけて
響く自分の声に耳塞いでた

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

 

f:id:torikai24ll:20201101122743j:plain

f:id:torikai24ll:20201101122803j:plain

このフレーズの時の表情は、CHASE!のシャウトの時の表情と重なります。魂は「大好き」と叫ぶけれど、心はそれを赦しはしません。自責、喪失感、絶望、様々な感情が渦巻き爆発したのが1話のシャウトだったのかもしれません。

 

海底へとたどり着き、その閉ざされた心にそっと優しく触れます。切り離された二人の少女が出会う瞬間、隠されていたまばゆい光が解き放たれます。この瞬間こそ、「優木せつ菜」と「中川菜々」がひとつになった瞬間だと私は捉えました。

 

f:id:torikai24ll:20201101123356j:plain

サビ直前で瞳に炎がともる演出や、「生まれた思いが明日へと導くよ」の歌詞のところで、海中から空へと跳ねるように水しぶきが上がる演出、めっちゃ大好きです。深い水底に閉じ込めた「大好き」は、太陽のもとへ解き放たれて燃え上がる。「優木せつ菜、ここに復活!!!」って感じがして最高でした。

 

今の私は、優木せつ菜ですよ!見つかる前に退散しましょう!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話「大好きを叫ぶ」

 

f:id:torikai24ll:20201101123559j:plain

生徒会長としてではなく、やんちゃな女の子としてのこのセリフにはギャップ萌えのようなものを感じます。それだけではなく、新しく生まれた「優木せつ菜」が詰まっていてすごく好きです。

はんぺんをお散歩役員にしたときのように、生徒会長であるときは「規則」に基づく必要があります。たとえそれが屁理屈であっても、あくまで建前を守らなくてはいけません。「優木せつ菜」であるときはそんな建前にとらわれず、心の磁石が指し示す方へ走り出していけるのです。

 

このブログを書いている時点ですでに4話を見ちゃっているのですが、めっちゃ生き生きしてましたね!これからもリミッターを外した姿である優木せつ菜として、新たな一面を見せてくれることを期待です!!

 

☆ワンダーランド☆ ~一人では成立しない、大切な場所~ (ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2話感想)

いよいよ来ました!かすみん回!

かすみんがめっちゃ可愛かった!!!

コロコロ変わる表情、身振り手振り、すべてがカワイイ!

推しということもあり、気づいたら長文になってしまいました。

仕事が忙しかったこともあって、だいぶ時間が空いてしまいましたが今回も語ります!

 

 

 

世界で一番のワンダーランド そんな場所に行けると思ってたのに

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

f:id:torikai24ll:20201024153634j:plain

 かすみの語りから今回の物語がスタートします。

言うまでもなく、「ワンダーランド」はかすみのソロ曲のタイトルでもありますね。

歌詞にもあるように、かすみの願いはかわいい溢れるワンダーランドをつくること。

理想とするワンダーランドの中で、かすみの「カワイイ」はより輝くのです。

 

カワイイを追求することなら一人でもできそうなところです。同好会がなくなっても、自分自身と向き合ってカワイイを磨き続けるという道もあったはずです。

けれど彼女にはそのような選択肢は全くありませんでした。一人になっても、同好会を守り続けようと決意します。ワンダーランドは決して一人では成立せず、仲間が必要であるようです。だからその場所を探し求めている。ワンダーランドに行くことでよりカワイイの真理へと近づける、と信じているように思います。

 

かすみ自身が一番カワイイ存在でいたい!という野望と同じくらい、仲間の存在を、居場所を求めているのではないでしょうか。

かすみん、最強にかわいいスクールアイドル同好会にしてみせますから!
アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

かすみ自身だけではなく、スクールアイドル同好会という場所もかわいいものにしたいと彼女は願います。かすみが求めるかわいいは私たちが一般的に想像する「可愛い」ではなく、もっと色んなものを内包しているのではないでしょうか。ラストのセリフでも、「カワイイもかっこいいも一緒にいられる そんな場所が本当に作れるなら――」とあるように、カラフルで鮮やかな世界がそこには広がっているように思います。

 

カワイイ王国 作っちゃおうよ

あんなことやこんなこと 目いっぱい詰め込んだ贅沢なWorld!

☆ワンダーランド☆/中須かすみ

 

 今回はかすみの追い求める「カワイイ」と「ワンダーランド」についての個人的な解釈を語っていこうと思います。

 

 

 

 

かすみんには一番大切にしたいものがあって


かすみんには一番大切にしたいものがあって
だからスクールアイドルがやりたくて 

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

f:id:torikai24ll:20201024154606j:plain

 

「カワイイ」というのはファンに届けたい、大切なメッセージであると同時に、

かすみがかすみであるために無くてはならない、とても大切なものです。

 

「努力しても追いつけないのかな」

『ううん!弱気で凹んでちゃダメ』

「私にだってできるはずなのにな」

『超絶誰より イチバンだもん』

 

この世界中で たった一人の自分を

もっともっと好きになってあげたい

無敵級*ビリーバー/中須かすみ

 

とっておきの笑顔で さぁ始めよう 

もう絶対めげない 負けないって決めたの

不安も吹き飛ばしてこう 前向いて I'm a Super Perfect Believer

無敵級*ビリーバー/中須かすみ

 

自分が一番カワイイのだと高らかに宣言するかすみですが、自分に自信のない弱気な一面もある女の子です。一面、というよりはむしろこちらが「中須かすみ」という女の子の本質であるように思います。

自身が笑顔でいること、可愛くいることが彼女を勇気づけ自分自身を信じさせてくれるのです。不安、悲しみ、落胆、そんなネガティブな感情は「カワイイ」が吹き飛ばしてくれます。「カワイイ」かすみんは無敵でいられるのです。

だからこそ「カワイイ」をファンに届けたい!もっともっと可愛くなりたい!と願います。

かすみにとってカワイイは譲ることは決してできない大切なものであり、アイデンティティでもあるのです。

 

 

こんなの全然可愛くないです!

 

でも!こんなの全然可愛くないです!

熱いとかじゃなくって、かすみんはカワイイかんじでやりたいんです !

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

f:id:torikai24ll:20201024160910j:plain

 

せつ菜が「大好き」を追い求めるあまり、かすみの大切にしていた「カワイイ」は狭く、窮屈なところへ追いやられてしまいます。

「カワイイ」はファンに届けたいものであり、かすみの生き方そのものでもあります。

つまり「カワイイ」の否定は、スクールアイドルとしての「かすみん」の否定だけではなく、「中須かすみ」のアイデンティティの否定でもありました。

 

このせつ菜とかすみの衝突がきっかけとなり、活動休止、さらには廃部となってしまいます。たまたま二人が激しくぶつかってしまいましたが、どの組み合わせでも衝突はあり得たのではないでしょうか。みんな「やりたいこと」が違っていましたから。

 

こんな同好会出て行ってやる!!となっても不思議ではないように思えますが、かすみは同好会という場所を守ろうとします。

 

諦めなければ、同好会は永遠に続くのです!

 

グループを結成したときは結構いい感じだったのに
お披露目ライブのための目標を決めたあたりから

なんだかピリピリしてきて

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

「結構いい感じ」の時期があったからこそ、その瞬間をずっとつづけていたい、そんな場所が続いてほしい、とかすみは願っているのだと思います。

誰かが遠慮するのではなく、同好会の個人個人がのびのびと自分の好きなことを追求できた時間。きっとそんな瞬間があったのでしょう。

 

世界で一番のワンダーランド そんな場所に行けると思ってたのに

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

「思ってたのに」と表現していることからも、同好会の活動の中でその可能性を、かすかな光を感じたのではないでしょうか。

同好会のみんなはかすみとは方向性が違っています。それでも、そこは居心地がよくて、「ただいま」って戻りたくなるようなそんな場所。

その心地よさを知っているから、彼女はもう一度、1からその場所を作ろうと奮闘していきます。侑と歩夢という新しい仲間を加えて、ワンダーランドを探し求める旅がはじまります。

 

 

もしかしてかすみん、同じことしてる?

 

まず部員募集にはこれから、と自己紹介動画の撮影を提案したかすみ。きっと何度も何度も研究して出来たのであろう、ありったけの「カワイイ」をつめこんだ自己紹介を披露します。アイドル道を探求し、究めていく姿はμ'sのにこちゃんと重なりますね。

 

一方歩夢はまだスクールアイドルを始めたばかり。「ピンクとかかわいい服だって、今でも好き」と一話で告白していましたが、スクールアイドルとしてその好きなものをどのように表現していくか?ということに関しては、まだ具体的なものを掴めていません。

可愛いって何 可愛いって難しい 可愛いって……

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

かすみの「カワイイ」指導を受けるも、歩夢自身の表現したかった「かわいい」はどこにあるのか、迷走してしまいます。

それもそのはず、同じ可愛いであってもかすみと歩夢の目指す可愛いの方向性は全く違っていたのです。

それに気づかず、かすみは歩夢に告げます。

 

もう、そんなんじゃファンのみんなにカワイイは届きませんよ

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

歩夢への助言としてこの言葉は生まれたのでしょう。悪気などは微塵もはなく、歩夢のことを思って発した言葉。この言葉は自身がせつ菜に言われて嫌だった言葉と同じではないか、とすぐにかすみは気づきます。 

f:id:torikai24ll:20201024153850j:plain

 

こんなパフォーマンスではファンのみんなに

大好きな気持ちは届きませんよって
だからかすみんもムッキーってなっちゃって
そのまま……活動……休止に

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

かすみんには一番大切にしたいものがあって
だからスクールアイドルがやりたくて

それはきっとみんなもそうなんですけど やりたいことはやりたいんです
けど人にやりたいこと押し付けるのは嫌なんですよ
なのにかすみん歩夢先輩にそれをしちゃって

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

「もとはといえばせつ菜先輩がいけないんです!」とも言っていたかすみですが、無自覚に同じことをやってしまっていました。

かすみ自身の「カワイイ」は貫きたくて、でもそれが原因でケンカしたり、嫌な思いはさせたくない。旧同好会の二の舞になるのは避けたいと強く願います。

 

つまりそれぞれやりたいことが違ったってことでしょ
それでケンカしちゃうのは仕方ないと思うけどな

 

 仕方ないんじゃ困るんです!
このままじゃ同好会がまたうまくいかなくなっちゃいますぅ!

 アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

自分と価値観が違っても、やりたいことが違っても、あの場所はワンダーランドへと繋がりそうだったから。そんな瞬間があったから。

だから「仕方ない」という言葉では片付けたくない。

でも、どうすればいいのかも分からなくて悩んでしまいます。

 

 

かわいいから合格です!

 

場面は変わって、自身の目指すかわいいがわからなくなってしまった歩夢。

かすみのアドバイス通りに自己紹介のセリフを練習していたところに、たまたま通りかかった果林にその姿を目撃されてしまいます。

 

ごめんなさいね とっておきの可愛いところ見ちゃって
でもそれはあなたの言葉?

もっと伝える相手のことを意識した方がいいわよ

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

 きっと果林は読者モデルとしてただ撮影されるのではなく、読者に伝えたい何かがあったのではないでしょうか。それ故に歩夢の感じている違和感に気づけたのだと思います。こんなことをサラッと言えちゃうあたり、大人でカッコいい。

 

かすみちゃんもせつ菜ちゃんもファンに届けたいものがあるんだね


あたりまえですよ!

スクールアイドルにとって応援してくれるみんなは一番大切なんですから

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

せつ菜の「大好き」も、かすみの「カワイイ」もファンに届けたい、大切なメッセージ。せつ菜の燃えたぎるようなスクールアイドルとしてのパフォーマンスも、かすみのカワイイのたっぷり詰まった自己紹介も、そんなファンへの想いから生まれるのでしょう。

じゃあ私は誰に想いを伝えたいのだろう、と歩夢は考えます。

 

今の私にファンなんていませんし......
応援してくれる人なら……います

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

歩夢はスクールアイドルを始めたばかりでファンはまだいません。

ファンはまだいないけれど、一緒に歩いて一緒に夢を見てくれるそんな人。

幼馴染の侑の顔が頭に浮かびます。

 

虹ヶ咲学園普通科二年、上原歩夢です。

自分の好きなこと、やりたいことを表現したくて

スクールアイドル同好会に入りました。

まだまだできないこともあるけど、

一歩一歩、頑張る私を見守ってくれたらうれしいです!

よろしくね!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

好きなこと、やりたいことをどんな形で表現したらいいか、まだ明確なものは掴めていないけれど、一歩一歩頑張る私を応援してほしい。

かすみのように好きなことの表現の形は確立していないけれど、歩夢の想いがぎゅっと詰まった自己紹介。そんな自己紹介に侑は「ときめいちゃった!」と歩夢を抱きしめます。

 

かすみんの考えてたのとはちょっと違いますけど、かわいいから合格です

 アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

かすみのものとと同質の「カワイイ」ではないけれど、そこには確かに「かわいい」がある。旧同好会にワンダーランドへの道筋を感じていたのも、きっと色んな「かわいい」が溢れていたからではないでしょうか。

 

楽しいし、かわいいと思います!

 

たぶん、やりたいことが違っても大丈夫だよ

うまくいえないけどさ、自分なりの一番をそれぞれ叶える方法って

きっとあると思うんだよね
さがしてみようよ!それにその方が楽しくない?

 

 

楽しいし、かわいいと思います!
色んなかわいいもかっこいいも一緒にいられるそんな場所が作れるなら―

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

f:id:torikai24ll:20201024153932j:plain

「楽しいし、かわいいと思います!」というセリフの「かわいい」は、今までのかすみのセリフで出てきた「カワイイ」とは異なる意味で使われています。

異なる、というよりも「カワイイ」は「かわいい」の一部であると言えるのではないでしょうか。歩夢のかわいいも、かすみ自身のカワイイも、さらにせつ菜のかっこいいでさえも全て、「かわいい」の中に含まれています。

 

やりたいことが違っても一緒にいられて、それぞれが一番を目指していけるそんな場所。そんな素敵な場所をかすみは「かわいい」と形容します。その「かわいい」場所こそ、かすみの目指していたワンダーランドであったのだと気づきます。そのかわいくて優しい場所で、かすみの「カワイイ」のダイヤモンドはより一層かがやくのではないでしょうか。

 

ああ、きらり輝く未来にきゅんとしたなあ

(大切な場所)なんだかんだね

たくさんの願いと思いを込めた歌を歌おう

このダイアモンド光って…

ダイアモンド/中須かすみ

 

そこは絶対、世界で一番のワンダーランドです!

 

でも!歩夢先輩!

どんなに素敵な同好会でも、世界で一番カワイイのはかすみんですからね!!

アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

高らかに宣言し、かすみは自身の夢を詰め込んだ歌を歌います。

ポップでカラフルで、まるでお菓子箱のようなステージ。 このステージこそ、かすみの目指すワンダーランドの具現化ではないでしょうか。

f:id:torikai24ll:20201024160353j:plain

キャンディー、クッキー、マカロンといった様々なお菓子のように、色んな夢を持った仲間がいる。方向性はバラバラだけど、みんなそれぞれの夢を目指している。そのかわいいワンダーランドで一番「カワイイ」Only oneのスクールアイドルでいたい!というのが、かすみの野望なのです。だからその大切な場所で、いつも笑顔でいたいと願います。

 

たまにはね(Crying Crying)

うつむいちゃっても(Trying Trying)

そんな時こそね(keep on smiling)

一秒でも長く可愛くいたいから

Poppin' Up!/中須かすみ

 

悲しい時もみんな一緒だから

頑張れるよ!楽しくね☆

ダイアモンド/中須かすみ

 

f:id:torikai24ll:20201024165348j:plain

 

かすみにとって「カワイイ」ことが自身を勇気づけてくれる笑顔の魔法。

うまく魔法が使えない日は、仲間が力を分けてくれます。

みんなと一緒だからこそ、その魔法はより強力になるのです。

 

届け!届け! 地球の果ての果てまで 響け!響け!

(Yes!Super Cutie Smile!!)

私色の瞬きが溢れ出る だから笑って

オンリーワンのキラメキを信じて いつもMake my way!!

Poppin' Up!/中須かすみ

 

みんなから貰った笑顔はとびっきりの「カワイイ」にして届けたい!

自分自身だけではなく、仲間たちに、ファンに、世界中のみんなに、

笑顔の魔法をかけてあげたい!

 

これこそがスクールアイドルかすみんの掲げる旗印なのです。

 

f:id:torikai24ll:20201024154018j:plain

 

この旗を掲げるカット、

 「スーパーカワイイかすみん ここにあり!ワンダーランド建国に向けていざ!!」

と叫びそうな感じがして好きです。

 自身の存在の証明であり、ワンダーランド建国の旗揚げでもあるのではないでしょうか。譲れない想いを胸に、掲げられたかすみ色の旗。きっと目指す場所には色とりどりの旗がはためいているのではないでしょうか。

 

目指すものが違っても一緒に夢を目指していける、ハッピーとスマイルでいっぱいな場所。新たな仲間を加え、その場所を探す旅が始まります。

 

色んなカワイイもかっこいいも一緒にいられる

そんな場所が本当に作れるなら

そこは絶対世界で一番のワンダーランドです

 アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第2話「Cutest♡ガール」

 

 

 

 

CHASE!~少女たちの追い求めたもの~ (ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会1話感想)

いよいよアニメが始まりましたね!

アニメを見ていたら色んな気づきや想いが沸き上がってきたので、初めてブログ執筆してみようと思いいたりました。そうこうしているうちに、2話の放送日となってしまいました。これを投稿し終えたらすぐ見にいきます!

 

前置きはこれくらいにして、さっそく本題に入ります。

特に印象にのこったのはCHASE!のライブシーンでした。炎が舞い上がり、感情の爆発と言わんばかりに爆風を巻き起こす演出はまるでバトルもののアニメのようでした。

「大好きであふれる世界を作りたい!」ということが優木せつ菜の野望であり、スクールアイドルとして活動する理由になっています。

今の世の中、好きなことを素直に好きって言うの、ちょっと難しいじゃないですか。恥ずかしかったり、誰かにバカにされちゃったり、色んな事情があったり。

でもね、スクールアイドルの世界ってそんなことなくて、やってる人も、応援してる人も、みんなスクールアイドルが大好きで、素直に大好きって言えちゃう。

キラキラしてて、楽しくて、とっても優しい世界。
だって、ここには大好きが溢れてるから。

(スクスタ 公式HPより)

その「大好き」の感情の爆発が、侑と歩夢の心に炎を宿します。

せつ菜の圧倒的なパフォーマンスに魅了され、そのメッセージを受け取ったふたりですが、それぞれ目覚めた想いが異なっています。

 

「夢を追いかけている人を応援したい!」

「スクールアイドルを始めたい!」

 

CHASE!という1つの曲から、ふたりはそれぞれ別の何かを受け取ったといえます。

 

ふたりとは対照的に、せつ菜は同好会を辞め、スクールアイドルも辞めてしまいます。

この行動は彼女の発するメッセージとは真逆で、矛盾しています。

 

3人の少女はあの瞬間に何を想っていたのでしょうか。

個人的な解釈を語っていこうと思います。

 

 

 

 

【歩夢】なりたい自分を我慢しないでいいよ

 

 まずは、スクールアイドルを目指すことを決意した歩夢の視点から

 

 私、好きなの!ピンクとかかわいい服だって、今でも好きだし、着てみたいって思う。自分に素直になりたい。だから、見ててほしい。

私は、スクールアイドルやってみたい!!

 ショーウィンドウの中の服を侑から勧められても、「もう卒業した」のだと断った歩夢。  Dreaming with youでは「ずっと隠してたの 心の奥 芽生えてた気持ちを見ないふりして」との歌詞があることからも、「好き!」という気持ちを封印してしまっていたことが読み取れます。アニメの各所に侑と歩夢のイチャイチャっぷりが散りばめられていましたが、そのように近い関係である侑にでさえ、その素直な気持ちを伝えるのを躊躇していました。

 

ですが、優木せつ菜というスクールアイドルは臆することなく、魂から大好きを叫びます。

なりたい自分を我慢しないでいいよ 夢はいつか ほら輝き出すんだ!

そして幼馴染である侑は「夢を追いかけている人を応援できたら......」と呟きます。幼馴染の侑なら、あのライブで同じように衝撃を受けた侑なら、きっと「大好き」を笑わずに受け止めてくれる。だから侑に自分の気持ちを伝えます。でも、彼女はどこかまだ不安そうでもあります。

今はまだ 勇気も自信も全然だから、これが精いっぱい

侑の前なら素直に自分の気持ちを言えるけれど、せつ菜のように熱く、力強く、たくさんの人に大好きを伝えるのはちょっと不安。はじまったばかりの夢だから、まだどこか漠然としていてちょっぴり怖い。でもいつかは、せつ菜のようなスクールアイドルになりたい......!そんな気持ち故の言葉だと私は捉えました。

 

そして彼女はこう続けます

私の夢を一緒に見てくれる?

f:id:torikai24ll:20201010235111j:plain

ひとりじゃ不安だけど、侑となら踏み出していける。一人で見る夢ではなくて、一緒に見る夢であれば、きっと先へと進んでいける。

だってせつ菜もこう叫んでいたから

悩んだら君の手を握ろう

なりたい自分を我慢しないでいいよ 夢はいつか ほら輝き出すんだ!

 

 

 

【侑】世界が色づいて光りだす瞬間を 君と見たい

 

次に侑の視点。

自分の夢はまだ無いけどさ 夢を追いかける人を応援出来たら

私も何かが始まる そんな気がしたんだけどな

自分の「大好き」に素直になって、新たな夢が芽生えた歩夢ですが、侑はまだ夢が無いと語っています。夢は無いけど「夢を追いかける人を追いかけたい」というのが、せつ菜のライブをみて生まれた感情。ここで語られた「何かが始まる」という言葉と同じ意味を持つ言葉がCHASE!の歌詞に出てきます。

夢はいつか ほら輝き出すんだ!

そしてせつ菜は「君」と共に走り抜け、その先の景色を見たいのだと叫びます。

f:id:torikai24ll:20201010234427j:plain

走り出した! 思いは強くするよ  悩んだら君の手を握ろう

 

世界が色づいて光りだす瞬間を 君と見たい その心がアンサー

 

夢は無くても、夢に向かって走る人を応援することができれば、「君」となって手を握ることができれば、いつか夢が輝きだすんだ!そして見たことのない世界へと、一緒に駆けていけるはず!

これが侑の受け取ったメッセージであり、侑は「君」であろうと願ったのではないでしょうか。

 

ですがせつ菜はスクールアイドルを辞めてしまった。このことを知った帰り道、残念だったねと歩夢から言われたのに対し、侑は「それはいいよ。やめる理由があったんだろうし」と返します。あれだけときめいてはしゃいでいたのに、意外とあっけない、あっさりとした反応です。

「君」でいるには、夢を追いかける人の存在が必要だけど、それを失ってしまった。もし、スクールアイドルを辞めてなくても、ファンとアイドルの関係じゃ距離があるし......と、変に冷静になって侑自身が大好きでいることを「やめる理由」を探してしまっているように思えました。

大きく感情を揺さぶられたのに、それが何もなかったかのように無くなってしまうとは到底思えません。

今回のラストの告白は、私も「大好き」を隠さないから、あなたも「大好き」でいて!!というメッセージであったように思えます。

今はまだ 勇気も自信も全然だから、これが精いっぱい

私の夢を一緒に見てくれる?

優木せつ菜という存在には遠く及ばないし、彼女の替わりにはなれないけど、「君」と手をつなぎたいの。そして一緒に夢を見ようよ、彼女が歌っていたように!

 

そして二人は新たな一歩を踏み出します。

歩夢から「スクールアイドルをやりたい!」と告げるところはめちゃくちゃアツい所だと感じます。侑に誘われて、最初は戸惑いながら......というのではなく、二人が同じ熱量を胸に歩み始める。今後が楽しみですね!

 

 

 

【せつ菜】悲痛な魂からの叫び

歩夢と侑とは対照的に、せつ菜はスクールアイドルを辞めることを決断します。

彼女の歌とは真逆の行動。完全に矛盾しています。

ステージには一つも悔いは残さない

比べてみた 理想とリアル まだ届かないけど感じるから

道の先のゴールを

 ゴールへとたどり着き、やりきったので引退......というわけではないようです。

スクールアイドルに対する未練、行き場をなくした「大好き」の気持ち。

「大好き」を叫べるのは今回のステージが最後。

この想いをこれからはどこにぶつければいいのか。

その悲痛な想いは叫びとなり、炎となります。

 

f:id:torikai24ll:20201010234125j:plain

 

せつ菜は一緒に手を握って走る「君」の存在をずっと探していたのではないでしょうか。今回のステージは新メンバーを加えたグループのお披露目......の予定でしたが、彼女たちの手を握ることはできませんでした。誰かを呼ぶように、訴えるように、彼女は叫びます。

 

その魂からの悲しい叫びは侑と歩夢の「大好き」を後押ししてしまうというのは何とも皮肉ですね。

いつの日か来るであろう、侑ちゃんと、そして同好会の仲間と一緒に再び歩みだす瞬間を見守っていきたいと思います。

涙から生まれる希望も目には見えない力で繋がる

夢はいつか ほら輝きだすんだ!