とりとり ―とりかいの取り留めのないメモ帳―

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のアニメの感想とかを語っていきます

CHASE!~少女たちの追い求めたもの~ (ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会1話感想)

いよいよアニメが始まりましたね!

アニメを見ていたら色んな気づきや想いが沸き上がってきたので、初めてブログ執筆してみようと思いいたりました。そうこうしているうちに、2話の放送日となってしまいました。これを投稿し終えたらすぐ見にいきます!

 

前置きはこれくらいにして、さっそく本題に入ります。

特に印象にのこったのはCHASE!のライブシーンでした。炎が舞い上がり、感情の爆発と言わんばかりに爆風を巻き起こす演出はまるでバトルもののアニメのようでした。

「大好きであふれる世界を作りたい!」ということが優木せつ菜の野望であり、スクールアイドルとして活動する理由になっています。

今の世の中、好きなことを素直に好きって言うの、ちょっと難しいじゃないですか。恥ずかしかったり、誰かにバカにされちゃったり、色んな事情があったり。

でもね、スクールアイドルの世界ってそんなことなくて、やってる人も、応援してる人も、みんなスクールアイドルが大好きで、素直に大好きって言えちゃう。

キラキラしてて、楽しくて、とっても優しい世界。
だって、ここには大好きが溢れてるから。

(スクスタ 公式HPより)

その「大好き」の感情の爆発が、侑と歩夢の心に炎を宿します。

せつ菜の圧倒的なパフォーマンスに魅了され、そのメッセージを受け取ったふたりですが、それぞれ目覚めた想いが異なっています。

 

「夢を追いかけている人を応援したい!」

「スクールアイドルを始めたい!」

 

CHASE!という1つの曲から、ふたりはそれぞれ別の何かを受け取ったといえます。

 

ふたりとは対照的に、せつ菜は同好会を辞め、スクールアイドルも辞めてしまいます。

この行動は彼女の発するメッセージとは真逆で、矛盾しています。

 

3人の少女はあの瞬間に何を想っていたのでしょうか。

個人的な解釈を語っていこうと思います。

 

 

 

 

【歩夢】なりたい自分を我慢しないでいいよ

 

 まずは、スクールアイドルを目指すことを決意した歩夢の視点から

 

 私、好きなの!ピンクとかかわいい服だって、今でも好きだし、着てみたいって思う。自分に素直になりたい。だから、見ててほしい。

私は、スクールアイドルやってみたい!!

 ショーウィンドウの中の服を侑から勧められても、「もう卒業した」のだと断った歩夢。  Dreaming with youでは「ずっと隠してたの 心の奥 芽生えてた気持ちを見ないふりして」との歌詞があることからも、「好き!」という気持ちを封印してしまっていたことが読み取れます。アニメの各所に侑と歩夢のイチャイチャっぷりが散りばめられていましたが、そのように近い関係である侑にでさえ、その素直な気持ちを伝えるのを躊躇していました。

 

ですが、優木せつ菜というスクールアイドルは臆することなく、魂から大好きを叫びます。

なりたい自分を我慢しないでいいよ 夢はいつか ほら輝き出すんだ!

そして幼馴染である侑は「夢を追いかけている人を応援できたら......」と呟きます。幼馴染の侑なら、あのライブで同じように衝撃を受けた侑なら、きっと「大好き」を笑わずに受け止めてくれる。だから侑に自分の気持ちを伝えます。でも、彼女はどこかまだ不安そうでもあります。

今はまだ 勇気も自信も全然だから、これが精いっぱい

侑の前なら素直に自分の気持ちを言えるけれど、せつ菜のように熱く、力強く、たくさんの人に大好きを伝えるのはちょっと不安。はじまったばかりの夢だから、まだどこか漠然としていてちょっぴり怖い。でもいつかは、せつ菜のようなスクールアイドルになりたい......!そんな気持ち故の言葉だと私は捉えました。

 

そして彼女はこう続けます

私の夢を一緒に見てくれる?

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ひとりじゃ不安だけど、侑となら踏み出していける。一人で見る夢ではなくて、一緒に見る夢であれば、きっと先へと進んでいける。

だってせつ菜もこう叫んでいたから

悩んだら君の手を握ろう

なりたい自分を我慢しないでいいよ 夢はいつか ほら輝き出すんだ!

 

 

 

【侑】世界が色づいて光りだす瞬間を 君と見たい

 

次に侑の視点。

自分の夢はまだ無いけどさ 夢を追いかける人を応援出来たら

私も何かが始まる そんな気がしたんだけどな

自分の「大好き」に素直になって、新たな夢が芽生えた歩夢ですが、侑はまだ夢が無いと語っています。夢は無いけど「夢を追いかける人を追いかけたい」というのが、せつ菜のライブをみて生まれた感情。ここで語られた「何かが始まる」という言葉と同じ意味を持つ言葉がCHASE!の歌詞に出てきます。

夢はいつか ほら輝き出すんだ!

そしてせつ菜は「君」と共に走り抜け、その先の景色を見たいのだと叫びます。

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走り出した! 思いは強くするよ  悩んだら君の手を握ろう

 

世界が色づいて光りだす瞬間を 君と見たい その心がアンサー

 

夢は無くても、夢に向かって走る人を応援することができれば、「君」となって手を握ることができれば、いつか夢が輝きだすんだ!そして見たことのない世界へと、一緒に駆けていけるはず!

これが侑の受け取ったメッセージであり、侑は「君」であろうと願ったのではないでしょうか。

 

ですがせつ菜はスクールアイドルを辞めてしまった。このことを知った帰り道、残念だったねと歩夢から言われたのに対し、侑は「それはいいよ。やめる理由があったんだろうし」と返します。あれだけときめいてはしゃいでいたのに、意外とあっけない、あっさりとした反応です。

「君」でいるには、夢を追いかける人の存在が必要だけど、それを失ってしまった。もし、スクールアイドルを辞めてなくても、ファンとアイドルの関係じゃ距離があるし......と、変に冷静になって侑自身が大好きでいることを「やめる理由」を探してしまっているように思えました。

大きく感情を揺さぶられたのに、それが何もなかったかのように無くなってしまうとは到底思えません。

今回のラストの告白は、私も「大好き」を隠さないから、あなたも「大好き」でいて!!というメッセージであったように思えます。

今はまだ 勇気も自信も全然だから、これが精いっぱい

私の夢を一緒に見てくれる?

優木せつ菜という存在には遠く及ばないし、彼女の替わりにはなれないけど、「君」と手をつなぎたいの。そして一緒に夢を見ようよ、彼女が歌っていたように!

 

そして二人は新たな一歩を踏み出します。

歩夢から「スクールアイドルをやりたい!」と告げるところはめちゃくちゃアツい所だと感じます。侑に誘われて、最初は戸惑いながら......というのではなく、二人が同じ熱量を胸に歩み始める。今後が楽しみですね!

 

 

 

【せつ菜】悲痛な魂からの叫び

歩夢と侑とは対照的に、せつ菜はスクールアイドルを辞めることを決断します。

彼女の歌とは真逆の行動。完全に矛盾しています。

ステージには一つも悔いは残さない

比べてみた 理想とリアル まだ届かないけど感じるから

道の先のゴールを

 ゴールへとたどり着き、やりきったので引退......というわけではないようです。

スクールアイドルに対する未練、行き場をなくした「大好き」の気持ち。

「大好き」を叫べるのは今回のステージが最後。

この想いをこれからはどこにぶつければいいのか。

その悲痛な想いは叫びとなり、炎となります。

 

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せつ菜は一緒に手を握って走る「君」の存在をずっと探していたのではないでしょうか。今回のステージは新メンバーを加えたグループのお披露目......の予定でしたが、彼女たちの手を握ることはできませんでした。誰かを呼ぶように、訴えるように、彼女は叫びます。

 

その魂からの悲しい叫びは侑と歩夢の「大好き」を後押ししてしまうというのは何とも皮肉ですね。

いつの日か来るであろう、侑ちゃんと、そして同好会の仲間と一緒に再び歩みだす瞬間を見守っていきたいと思います。

涙から生まれる希望も目には見えない力で繋がる

夢はいつか ほら輝きだすんだ!