Butterflyでのクラゲの傘についての考察
あけましておめでとうございます!今年の初ブログです!
めちゃくちゃ遅刻ですが今回は7話のButterflyについてです。
彼方の曲には今までなかったアップテンポな曲で、新たな彼方ちゃんの魅力が詰め込まれた曲でしたね。彼方の持つメルヘンな世界観を維持しつつも、力強さや優雅さ、躍動感を感じさせる一曲です。Bメロで曲のテンポが速くなり、それに合わせて弾むように踊る彼方ちゃん。傘を空へと投げてサビが始まるシーンが印象的でした。
いろんな方が指摘されていましたが、彼方ちゃんの持っていた傘はミズクラゲがモチーフになっていましたね。一番わかりやすいのはこのカットでしょうか。
クラゲというのが実に彼方ちゃんらしくていいですよね。水の流れに身を任せて、ゆったりと、ゆらゆらと気ままに漂う。マイペースな彼方ちゃんにぴったりです。
ググったら加茂水族館コラボの傘が出てきました。MVで出てきた傘とそっくりです。興味がある方は調べてみてください。
この傘(=クラゲ)の演出は、「波に揺られるように、いつの間にか遥ちゃんの所から遠い所へ行っしまっていた彼方ちゃん」を表現しているのではないかと思いました。遥ちゃんに「お姉ちゃんのわからずや!」と言わせてしまうまでに、一人で背負いこみすぎてしまった彼方ちゃん。一緒に歩いてきたようで、実はすれ違っていました。一人で背負いこんできたクラゲが海を飛び出し、空へと舞い踊る。それが今回のButterflyなのではないかと、私は解釈しました。Aメロ・Bメロ、サビに分けて詳しく書いていこうと思います。
Aメロ・Bメロ
Aメロではゆっくりと傘をさして歩いている彼方ちゃん。「記憶の中で 溢れる Love with you」のところで、遥ちゃんの映像がセピア調になっている演出がいいですよね。いつどんなときも、ずっと遥ちゃんを大切に想っている。生まれた時から今までの思い出。過去だけではなく現在進行形の思い出は、彼方ちゃんの大切な宝物です。
このセピアの演出にはもう一つ、「幼き日のままの、守るべき遥ちゃん」も意味してるのではないかと思います。侑のセリフにもあったように、遥ちゃんはもう、守ってもらうだけの人じゃないのです。高校に入学し、徐々に大人に近づきつつある。それでも彼方の中では、遥ちゃんは「守るべき人」だったのです。
「駆け足な Day by day」という歌詞とは裏腹に歩調はゆっくりです。週5でバイトをして、家事もして、スクールアイドル活動や学業にも励む彼方ちゃん。そんな生活を続けていたら、倒れてしまって当然です。むしろこの生活を維持できてることが驚きでもあります。下手したら過労で入院モノなのでは……。しかし彼方ちゃん本人は苦とは思っていませんでした。たくさん抱え込みすぎてせわしなく過ぎていく日々、だけど本人はそう感じていない、という対比が「駆け足」と「ゆっくりな彼方ちゃんの歩調」だと解釈しました。
スクールアイドルも、家事も、遥ちゃんの世話を焼くことも楽しいことだから、夢中になってオーバーワークになってしまっていました。このあたりがクラゲのイメージと重なるように思いました。一生懸命にがむしゃらにヒレを動かして泳ぐのではなく、ゆらゆらと漂うように進んでいく。気づいたら遠くまで来てしまっていました。すべて自分一人で背負いこみ、遥ちゃんを置いてけぼりにして。
「強くなれたんだ」のフレーズの所では彼方ちゃんは室内で傘をさしています。2つのカットの両方とも場面は夜であると思われます。きっと遥ちゃんが寝てしまった後の時間ではないでしょうか。家事やバイトをするのも、夜遅くまで頑張れるのも、スクールアイドルに打ち込めるのも、すべて遥ちゃんが居たからこそ。「そのぬくもりで」の所で目が隠れてるのも、色々妄想が広がっていいですね。遥ちゃんへの感謝、ごめんねの気持ち、そしてこれからのこと……沢山の想いがぎゅっと詰まったフレーズだと思います。目元は隠れていますが、このときの彼方ちゃんはどんな表情をしてたのでしょうか。妄想は無限大です。
Bメロでテンポが速くなるのに合わせて、彼方ちゃんも踊るように、跳ねるように躍動します。遥ちゃんを置いてけぼりにして遠くまで流れ着いたクラゲは、再び遥ちゃんの元へと駆けていきます。そして印象的な傘を放り投げるカット。姉妹二人で大きな夢を抱きしめたなら、空へと羽ばたいていけるのです。
サビ
もはや説明不要かと思います(オイ) 遥ちゃんと彼方ちゃんの姉妹が2枚の羽に例えられるとか、歌詞に「ハルカカナタ」って入れてきてエモすぎるとか、きっと皆さんもお気づきでしょうし、先達の方々によって沢山語られてきていると思います。そのあたりの話は省略して、クラゲの話をしようと思います。
「待ってるの」の所でクラゲの傘が再登場します。歌詞通り「美しい空が待ってる」、つまり、「姉妹で大きな夢を抱きしめて羽ばたいた先に待っている、美しい景色」という意味に加えて、彼方ちゃんが遥ちゃんを「待ってる」という意味もあるのではないでしょうか。蝶になって羽ばたく前の、クラゲの彼方ちゃんの言葉でもあると捉えました。ゆらゆらと漂い、クラゲはいつの間にか遠いところまでやってきていました。守るものと守られるもの。対等ではない関係になってしまっていましたが、実は心のずっと奥で姉妹二人が並ぶことを「待っていた」のだと思います。彼方ちゃん自身その深層心理に気づいていなかったので、一人で背負いこんでしまったのではないでしょうか。
二人が対等な関係となり、ともに同じ夢を見る。姉妹だけどスクールアイドルとしてはライバル。この関係性めっちゃ尊くないですか。願わくは同じステージで歌うところも見てみたいなぁ……なんて思います。
最後に
姉妹のすれ違い…...なんですけれども、実は同じ想いだったんですよね。お互いに大切に想っていて、一人で解決しようとしてしまっていた。その二人が手を取り合って同じ夢を目指していく。心がほんわかと温まるお話でした。やっぱり彼方ちゃんは三年生でお姉ちゃんなんだなぁってつくづく感じた第7話でした。二人の姉妹の未来に幸あれ――